自由がほしくて会社を辞めた。思ったより食えない。そろそろ戻るべきだろうか——。そんな夜を過ごしているフリーランスや、ひとり社長の方が、いま増えているように感じます。実際、フリーランスから正社員に戻る方は増えていると報じられています。AIの普及で案件が減り、単価が下がり、契約が短期化している。合理的な選択だと思いますし、保障や働き方を理由に戻ることを否定するつもりもありません。
ただ、戻るかどうかを決める前に、一度だけ確かめてほしい数字があります。「実効時間単価」です。
実効時間単価という「土台」
実効時間単価とは、月商を、その月に働いたすべての時間で割った数字だ。作業時間だけではない。営業も、発信も、請求書づくりも、移動も、すべて含める。
たとえば月商50万円、総稼働180時間なら、実効時間単価は約2,778円。これがあなたの「本当の時給」になる。
では、年商2,000万円を月160時間以内の稼働で実現するには、いくら必要か。答えは約10,500円。私はこれを「土台」と呼んでいる。時給1万円は、才能の証明ではない。組めば組める、盤石の土台だ。
なぜ160時間以内という条件をつけるのか。時間を増やして届く売上は、誰でも作れるからだ。すり減って手に入れた数字に意味はない。心に余白が残るからこそ、次の挑戦を選べるようになる。
スキルの延長線上に、2,000万円は存在しない
市場の時給相場を調べると、フリーランス全体の実態は2,000円前後。最も単価が高いとされるITエンジニアの相場でも、上限で5,000円ほど。土台の半分にも届かない。しかも、経験10年の積み上げで変わる単価は約2倍と言われる。
つまり、いまの延長でスキルを磨き続けても、土台には構造的に届かない。——ここで多くの人が絶望する。けれど、私の見立ては逆だ。
単価はスキルの関数ではない。「何を約束するか」の関数である。
作業を約束すれば、時給で値切られる。成果物を約束すれば、相見積もりで比べられる。けれど、相手の「状態の変化」を約束した瞬間、比較対象が消える。変えるのはスキルではなく、約束だ。
(これは税理士業も同じ構造です。記帳と申告という作業の約束なら、顧問料は月3万円が相場。私が経営パートナーとして月10万円以上をいただくのは、経営者が毎月数字で意思決定できる「状態」を約束しているからです。)
では、何が要るのか
高い約束は、言うのは簡単で、守るのが重い。だから必要になるのは、スキルではなく次の4つだと考えている。
約束を自分の言葉で定める「意志」。断られない価格は、安すぎる価格だ。成果が見えない期間も止めない「継続」。受けた約束を守り切る「やり遂げ」——売上の複利は、信頼の複利である。そして、断る・頼む・休むという「自分を大切にするチカラ」。すり減った先に、2,000万円はない。
「マインドが大事」という言葉は、正直なところ自己啓発臭がして好きではない(だから私は、気持ちではなく行動の痕跡で問うことにしている。値上げを提案したことがあるか。90日続けたものがあるか、と)。
2,000万円が遠く感じる方へ
最初からそこを見なくていい。道標は3つある。600万円で、会社員の給与が置き換わり「戻る理由」が消える。1,000万円で、生存の不安が消える。2,000万円で、心に余白が生まれ、挑戦を選べるようになる。
大事なのは、この3つが別々の山ではないことだ。登り方は最初から同じ。約束を定め、続け、守り切り、自分をすり減らさない。600万円に届く登り方の延長線上に、2,000万円がある。
この仮説は、まだ完成していません
正直にお伝えします。私はこの考えを「年商2,000万円モデル」と呼んで、いま検証している途中です。私自身は株式会社HIROBAを創業し、早い段階で年商2,000万円を超えました。伴走している経営者の中にも、3年以内に超える方が出始めています。それでも「誰でも届く」と胸を張って言うには、まだ事例が足りない。だからこの記事は結論ではなく、検証の途中経過です。
それでも公開するのは、「あきらめなくても大丈夫」という言葉を、根拠と一緒に届けたいからです。泥水をすする必要はありません。ただし、やるべきことを、やめずに、やり遂げること。それはスキルの話ではありません。
まず、測ってみてください
ご自身の実効時間単価を、実効時間単価診断(無料・30秒)で測ってみてください。土台の組み上がりが思ったより低くて、驚くかもしれません。けれど、その残りはあなたの能力の欠如ではなく、約束の設計の問題かもしれない——それがこの記事で一番お伝えしたかったことです。
数字を見て、自分の場合はどう約束を書き換えればいいのか考えたくなったら、初回60分の無料相談でお話ししましょう。X(@HIROBA_Toru)のDMでも構いません。